「犬そば屋」の巻(其の弐)


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こんにちは、おんちゃんです。

さて、一人でおそばを売りに行かなければならなくなった「はや坊」ですが、どうなることやら。

しまったなぁ、どこでやればいいか、聞いてこなかったよ。

まぁ、どこでもいいか。

よっこいしょ、さーてやってみるか。

おーーーーそばーーーーー。

おーーーーそばーーーーー。

しかし、さっきからひとっこひとり通らねーなぁ。

どういうこった?

あ! 何だよ、ここ墓場じゃねーか!

おいおい、じょーだんじゃないよ、これじゃ人なんて来るわけねーや。

おー、おっかねぇ、さっさとトンズラだ。

ふー、びっくりした。

さーて、ここなら程よく人通りもあるし、ちょうどいいだろ。

おーーーーそばーーーーー。

おーーーーそばーーーーー。

『おっ、なんだ、いいにおいじゃねーか。』

『おい、そば屋、一杯くれ。』

わん!

『わん?』

いけね、犬のクセが出ちまった。

へぃ、いらっしゃい。

『なんだ?、犬がそば売ってやがる、妙な世の中になったもんだ。』

『まぁなんでもいいや、かけ一杯くれ』

よーし、おんちゃんに教わったとおり、

お湯に入れて八つ・・・

お湯に入れて八つ・・・

お湯に入れて・・・

『おい!! お前本当にそば作れんのか!?』

『さっきから見てりゃあ、もっと真面目にやれ、真面目に。』

へぇ、すいやせん、何か緊張しちゃって、へへへ・・・。

『へへへじゃねぇよ、早く作れ、こっちは腹減ってんだからよぉ。』

へぇ! ただいま!

つづく

「犬そば屋」の巻(其の壱)

「犬そば屋」の巻(其の参)

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―― あとがき

はや坊が、だんだん江戸っ子の口調になってきたのは、ご愛嬌ということで・・・。

さて、そばを食いに来たのは八丁堀の旦那。

一筋縄ではいかぬ相手です。

はや坊の運命やいかに。


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