こんにちは、おんちゃんです。
「はや坊、いいもの見に行こうぜ。」
「まぁ、いいからいいから。」
ここの匂い、
「そんなことより、早く行こうぜ。」
「お!!はや坊見てみろよ。ザリガニがいっぱい!!」
見せたかったのって、これ?
「違うよ、はや坊。見せたかったのは、これじゃないよ。」
それは、もっと向こう?
「日が陰ってきたな、もう少しだ。」
え?時間が関係あるの?
なんでもいいんだけどさぁ・・・
「あっ、はや坊、近くに来い。」
あのさぁ・・・
「おまたせ。」
子供の頃、家の裏の田んぼには、何百匹、何千匹というホタルが飛んでいた。
それが、いつのころからか、一匹もいなくなった。
おそらく、農薬が関係していたのだろう。
「前は、あんなにホタルがいたのになー」
子供心に、そんなことを思いながら、松あかしをしていた。(※1)
それ以来、ホタルを見ることはなかった。
ここにはホタルが飛んでいた。
田んぼのあぜ道を歩くと、用水路の辺りにチラホラと姿を見せてくれる。
小さな頃のように、何千匹とはいかないが、それでも思い出を呼び起こすには十分なもの。
ここには、忘れてしまったものが不意に顔を出す瞬間がある。
すり傷だらけの田舎育ちには、それを見逃さない力があるのだ。
※1 松あかし:迎え火や送り火のこと
どんどはらい。
――あとがき
残念ながら、私の技術では、ホタルをうまく写真にとることはできませんでしたので、イラストで表現させていただきました。
私の住んでる地域の近くに、「ホタルの里」という場所があって、地区の方々がホタルが増えるように活動しています。
しかし、話によると、成虫になったホタルの餌が少ないため、よその場所に移ってしまうらしいのです。
それを聞くと、ちょっと複雑な気持ちになりますが・・・。
コメント
おんちゃん
こんにちは
タキマルク。。
逆さに読めば。。。
懐かしい感じ・・・