こんにちは、おんちゃんです。
前回の続きです。
(参照 「なぜ、おんちゃんはヒゲをはやしたのか?(その1)」の巻)
今回もまた、いっさい犬が関係しませんが、どうかお付き合い願います。
当時、アメリカのプロレス界は、今のように大きな団体が牛耳っていなかった。
それぞれ各地にプロモーターがいて、独自で運営していた。
そのプロモーターたちが加盟して運営していたのが、NWAという組織である。
当時は、外国の情報はほとんど伝わってこなく、どこかで新しいスターが誕生しても、ウワサ程度しか聞こえてこなかった。
逆にそれが、「まだ見ぬ強豪」という幻想を大きく膨らませていた。
私は、「まだ見ぬ強豪」と聞くと、勝手に「スキンヘッドの泥棒ヒゲ」が、頭の中に浮かんでいた。
幼少期の体験は、かくも強烈だったのだ。
ネット社会の現在では、「まだ見ぬ強豪」は存在しない。
あれから数十年・・・私は、おんちゃんになった。
たまたま、職場の中に、「スキンヘッド」の人と、「中東の人なみのヒゲ」の人がいた。
それぞれが許されているということは、「スキンヘッドと泥棒ヒゲ」も、許されるんじゃないか?
チャンスだった。
奇妙な感動と達成感があった。
この風貌だと、だいたいは「武藤敬司」、たまに「スティーブ・オースチン」と言われた。
もちろん、彼らは素晴らしいレスラーなので、とても光栄なことである。
でも本当は、幼少期の体験からくる「まだ見ぬ強豪」のイメージへの憧れなのだ。
知り合いには、「悪党面じゃん」なんて冷やかされたりもしたが、ご近所さんたちには案外受けは良かった。
お年寄りにも「そのヒゲいいね」なんて可愛がられて、うまくトレードマークになった。
このヒゲを剃る。
寂しさはあるが、新しい航海に出るために、いったんお別れだ。
そして、年老いてリタイアしたら、また憧れを取りもどせばいい。
白い泥棒ヒゲも、きっとカッコいいさ。
どんどはらい。
――あとがき
なんやかんや書きましたが、結局「プロレスファンだから」で、片付く話でした。
次からは、ちゃんと、はや坊のことを書きます。
お付き合いくださり、ありがとうございました。