こんにちは、おんちゃんです。
前回の続きです。(「白い唐獅子」の巻、「白い唐獅子(その2)」の巻)
「あーぁ、やってらんねぇ。」
がまんしろ。
「あーつかれた、なんかちょっと一杯飲みたくなってきたな。」
酒飲んじまったら、獅子がトラになっちまうだろ、もうちょっとがまんしろって。
「へいへい、わかりましたよ。」
しばらくたって――――
よし、頃合いもいいし、そろそろ始めるか。
「へ?なにを?」
『さーてお立ち合い!!ただ今より草原の王者「唐獅子」と、密林の王者「虎」による、一騎打ちを行います。』
「ちょっとちょっと、何言ってんだよ!!」
『どちらが本物の獣王なのか、とくとご覧あれ!!』
「おいおい冗談じゃねーよ、虎と闘えってのか、一口で食われちまうよ!!」
大丈夫だって、はやの字。
「何が大丈夫だよ、だいたいねぇ草原の王者って、おれは長屋に住んでるんだよ、長屋の王者でもねぇのにさぁ。」
「とにかく出してくれ、食われるのはごめんだ!!」
まぁいいからいいから。
「何がいいんだよ!!ウソだろ!!おーい出してくれー!!」
『東方より、虎の入場ーーー!!!』
「うわー食われる―!!」
―― あとがき
もとの話は、「動物園」という落語で、はや坊用にアレンジしました。
この話は、上方の噺家が好んで演じており、桂米朝が得意としていたそうです。
はや坊にタテガミがあったら、抜け毛がとんでもないことになっていたでしょう、柴犬で良かった。