「いも俵(其の壱)」の巻


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こんにちは、おんちゃんです。

いつの時代でも、悪いことを考える輩はいるものです。

落語にも、泥棒のでてくる話がたくさんあります。

でも、落語に出てくる泥棒というのは、だいたい間抜けでして、「何をやってもうまくいかないから、ひとつ泥棒でもやってみようか」なんて、のんきなヤツがほとんどです。

そして、いつも失敗します。

もちろん、犯罪が成功することは、あってはならないことですし、なにより落語ですから、やり損なうところで、ひとつ笑いの種になるというものです。

さて今回は、はや坊に「間抜けなドロボー」になってもらいましょう。

しばし、お付き合いのほどを、お願いします。

あるところに、こんな泥棒が・・・

「さいきんろくなしごとがないよ、もう足をあらっちゃおうか?」

なんだよ、はや坊、おめぇは何かってえとそれだな。

「だって、さいきんどこのうちも、とじまりがきびしくなって、しごとになんないんだもん。」

まぁまて、おれがずっと目を付けてる家があるんだ。

「どこ?」

「あそこは、いけないよ。」

なんでだよ、大金持ちで奉公人もたくさんいるじゃねぇか。

「だって、あそこは、とくにとじまりがげんじゅうだって、きんじょでもゆうめいだよ。」

「ドロボーなかまだって、だれもせいこうしてないんだよ。」

ハッハッハ、だからおめぇはバカだってんだよ。

「なんだよ、バカって!!」

いいか、戸締まりが厳重ってのは、外からの話だ。

「???」

中から開ける分には、造作もねぇだろ?

「そりゃあ、なかからかぎをあけるのは、かんたんだけど・・・」

「あかるいうちから忍びこむの?ほうこうにんがいっぱいいるんだよ?」

そこだよ。

「どこだよ?」

うるせぇな、奉公人を逆手にとるんだってんだよ。

「なにいってるのか、ぜんぜんわかんないよ。」

まぁ聞け、おれが考えた筋書きはこうだ。

「うん。」

ここにある「いも俵」の中に、お前が入るんだ。

そして、おれがそれを担いで、木綿問屋の前まで行くんだ。

「うんうん。」

そして、こう言うんだ。

『あいすみません、その先の芋問屋で芋を買ったのはいいんですが、ついついお釣りをもらうのを忘れてしまいまして。』

『これからちょいと、取りに行きてぇんですが、ついちゃぁこの重てぇもんを店の近くに置かせてもらいてぇんです。』

「おつりわすれるなんて、頭領もやきがまわったね。」

本当に忘れたんじゃねぇって、作り話をするってんだよ。

むこうで、『よろしゅうございます』と言えば、こっちのもんよ。

「うんうん、それで?」

後は、そのままほって置く。

「え~~~!!」

まぁ、聞けよ。

そうすると、むこうは『外に置いといて、預かりもんが無くなっても面倒だ』ってんで、いも俵を土間にでも置いてくれるだろ?

「うんうん!!」

あとは夜になるのを待って、おめぇが俵から出てくりゃ、中から錠前を開けるのは造作もねぇじゃねぇか。

「やっぱり、頭領はてんさいだね!!」

つづく。

つづきのお話

「いも俵(其の弐)」の巻

「いも俵(其の参)」の巻


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――あとがき

さて、悪だくみしている泥棒たちですが、どうなりますか。


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